第六章
何度も同じ光景を見た

この物語は、全7章で綴られています

自分自身への探究を続ける中で、
私はセラピー活動を始めました。

一人ひとりの人生と向き合い、
その人だけの苦しさや、
生きづらさに耳を傾ける日々が始まりました。

そして私はそこで、
ある光景を何度も目にすることになります。

多くの人は、自分の苦しみには気づいています。

けれど、
その苦しさについて
少し深い問いを投げかけると、

「そんなことまで考えたことなかった…」

そんなリアクションに、
何度も出会いました。

私が驚いたのは、
答えられないことではありません。

多くの人にとって、
深く問いを自分に向ける習慣がないように
感じたことです。

私にとっては苦しい出来事があれば、
「なぜこんなにも苦しいのだろう。」
と考えることはごく自然なことでした。

この光景を何度も目にするうちに、
一つのことが見えてきました。

「なぜ」と考えなければ、
問いは深まりません。

問いが深まらなければ、
自分の心を理解することはできません。

そして
生きづらさの根本原因も見えてきません。

そして、
自分の心との関係性を築いていくことも
できないのです。

けれど現実には、
その問いを自分に向けられる人は
決して多くありませんでした。

多くの人が、
生きづらさを抱え続けてしまうことにも、
共通した理由があるように思えました。

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