第五章
点だったものが線になる

この物語は、全7章で綴られています

その日から、
私の人生は大きく変わり始めました。
もちろん、
一度セッションを受けただけで、
生きづらさがなくなったわけではありません。
けれど初めて、
自分がなぜこれほど生きづらかったのか。
その理由を理解できるかもしれない。
そんな希望が生まれたのです。
私はその場所へ通い続けました。
幼い頃から抱え続けてきた
この生きづらさはどうすれば終わるのか。
その答えを、
本当の意味で理解したかったのです。
そしてセラピストが見ている世界を、
自分自身の目でも見られるようになりたかった。
その思いが、
私を探究へと駆り立てました。
仕事をしながら、
休日や夜は本を読み、
講座へ足を運び、
日常の中で何度も確かめました。
心を理解するために必要だと思うことは、
分野を問わず学びました。
でも、
私が求めていたのは知識ではありません。
本当に理解したと言えるのは、
実感として腑に落ちたときだからです。
これまで私は、
「これが正解だ。」
そう言われたものに、
何度も答えを求めてきました。
けれど、
どれも私が本当に知りたかった本質には、
届いていませんでした。
だからこそ私は、
教わったことも鵜呑みにはしませんでした。
自分の心で。
自分の身体で。
自分の人生で。
その答えは、
本当にそう言えるのか。
私は、
何度も確かめ続けました。
すると、
少しずつ見えてくるものがありました。
子どもの頃に感じた違和感。
社会へ出て感じた違和感。
そして、
自分自身が苦しみ続けてきた理由。
それらは決して
別々の出来事ではありませんでした。
一つひとつに意味があり、
すべてが今の私へとつながっていたのです。
私は初めて、
自分の人生に起きてきた
出来事の意味を理解しました。
あの苦しみにも。
あの違和感にも。
無駄なものは一つもありませんでした。
やがて、
私の問いは少しずつ変わっていきました。
『自分の生きづらさを終わらせたい。』
その思いから始まった探究は、
いつしか、
人の心とは何なのか。
人生とは何なのか。
私の関心は、自分自身から、
人と人生そのものへと広がり始めていたのです。


