「自己改革カウンセリング」を受けられた上野さおりさんの体験談を、シリーズ(全4記事)でご紹介しています。

今回は1記事目になります。

「仕事行きたくない」朝、急に涙が出て休んだ日

「分かりました。ありがとうございます!」

会社にて、業務で不明な部分を質問し、教えてくださった先輩社員にお礼を告げる。

派遣社員で事務員として働く、27歳の私。2歳の息子と、夫との3人家族。

結婚を機に正社員を退職し、パートよりも時給の高い派遣社員として、生活のために淡々と働く日々。

幸いなことに、職場は育児中の社員にも理解があり、時短で働きやすい環境だ。

「上野さん、丁寧に見てくれて助かるよ。ありがとう」と先輩社員から言われることも増えてきた頃。

人間関係も悪くなく、一般には良い環境だと思うし、自分でもそう思っていた。

派遣の同僚とも仲良く、休憩時間は、当たり障りのない雑談で笑い合う日々。

私の性格を一言で表すと、「真面目で責任感が強くて、平和に波風立てずに過ごしたい性格」だ。

子どもの頃から「皆が笑顔なら、それでいい」と思いがちで、辛いことや理不尽なこと、自分の意見があっても、多少我慢してしまうことがあった。

今振り返ると、完璧主義で自分に厳しい側面もあったのだと思う。

問題や悩みは「人に頼ってはダメ」と思い込み、子どもの頃からなるべく弱さは人に見せずに、自分で解決していた。

人のことは細かく気になる癖に、自分の事に関してはいつも不器用で後回しにしてしまいがちだった。

そんな私には、家に帰ると優しい夫、可愛い息子がいて。幸せな毎日で、平和で穏やかだ。

大きな問題は、ない。
ない、はずだ。
なのに…。

この頃、心の中で「理由の分からないモヤモヤ」が広がっていた。

「私、本当にこのままでいいのかな?」

「この先ずっと、こんな日々が後30年くらい続いて生きていくのかな」

「なんだか、楽しくない……」

ズーンと、心の中に黒いものが広がっているようだった。

何をしていても「それ」がいる。

だけど、人生は皆そんなものかもしれない。

皆、そんな風に感じながらもがんばって生きているんじゃないか、と思うようにしていた。

だから、そのうちこの「理由の分からないモヤモヤ」は消えるはず、と思っていた。

なのに、最初は小さかった「それ」も、ジワジワと大きくなっていった。

原因を考えようとしても、理由はよく分からず。

いつのまにか、「仕事に行き、いつも通り1日を過ごすこと」で精一杯になっていた。

するとある日の出勤前、朝食のお皿を洗いながら急に涙が溢れてきた。

(会社に、行きたくない……!)

涙が止まらなくなり、「あぁ、なんだかヤバいかもしれない」と感じた。

なぜか止まらない涙。
(誰か助けて……!)

しばらく心配そうに見ていた主人は、「今日は仕事休んで、病院に行ったらどうかな」と提案。

緊張しながら、会社に「体調が悪いので休みます」と休みの連絡を入れた。

(風邪でも病気でもないのに、仕事を休んでしまった…)

と、別に誰にも責められたり怒られたりしていないのに、すごく自分が悪いような気分になり辛かった。

だからか、
「早く治さなくちゃ。私は迷惑をかけている」
「病院に行き、この休みを意味のあるように、無駄にしないようにしなきゃ」

と、よく分からない危機感と罪悪感に駆られ、急いでスマホを開いた。

こんな時でも、なぜか「他人の目を気にしている自分」がいた。

病気でもないのに急に休んだことは、すごく悪いことをしているような気がした。

うつ病と診断され、薬を飲むも効かない日々

病院に行こうと決めたものの、どこの病院に行けば良いのか全く分からない。

とりあえず、スマホに「山口県」「精神科」「心療内科」「カウンセリング」などと打ち込んで検索した。

表示された病院を見て、予約の電話を入れるも、「予約がいっぱいです」と複数の病院に断られた。

(心の病気を患っている人って、そんなに多いの……?)と、無知な私は唖然。

心の病院は、体を診る病院と違い「本人が本当に苦しくて仕方がないタイミングでも、すぐには受診できない」のだった。

それだけ心を患う人も多く、診る人も大変なのかもしれない、と悟った。

そんな中、なんとか予約なしでも診察できるという心療内科を訪れた。

待合室には、既にたくさんの人が。

内心びっくりしながらも、お互い目も合わさず、ただ静かにぼんやりと椅子に座って待つ人達の中に混じって座る

(衝動的に来ちゃったけど、私は場違いかもしれないな)

間違ってきたかもしれないという気持ちや、居心地の悪さを感じながらも待った。

思ったよりも早く診察の順番が回ってきた。

先生の前に座り、勇気を出して今回の経緯を話した。優しく頷きながら、先生は話を聞いてくださった。

そして、私にいくつかの質問をしたので、素直に当てはまるものを答えていった。

すると、質問にいくつか当てはまるものがあったからか「躁うつ病の傾向ありですね」と診断し、「薬を処方しますね」と言って診療が終了した。

その診察時間、わずか10分〜15分程度だった。
こんな短時間で分かるもの……?

もちろん、専門医が言うならそうなのかもしれないし、本当にそうした病気の人もいるだろう。

けど、先生には私の過去や心の中は見えないはず。それに、人の感情や心って複雑だ。

短時間で判断するのは難しいのではないのだろうか。(私はやっぱり病気ではないのでは?)

さまざまな疑問が湧いてきたが、私は専門家ではない。だから、考えても明確な理由が自分では分かるはずはなかった。

先生が言っているし、もしかすると薬を飲むと良くなるのかもしれない。そして、薬を飲んで様子を見てみようと決めた。

数ヶ月間、ちゃんと継続し通院も続けた。けど、一向に改善されなかった。

むしろ「やはり病気ではないのでは?」と余計にモヤモヤは広がっていった。

そんな風だったからか、病院から効力が少し強まった薬を処方されるようになった。

けど、私の場合は何も変わらなかった。

「本当に私は病気?薬は必要なの?」と違和感が消えなかった。

病院以外のカウンセリングの場を必死に探す

「このままでは、ただ薬を飲み続けるだけで、何も変わらない」と感じ、「病院以外でカウンセリングなどおこなっている場所」をネットで調べ始めた。

すると、山口県山陽小野田市で心理セラピーをおこなっているという「こころ・からだセラピー福」を見つけた。
(「心理セラピー」って、心理カウンセリングみたいなもの?)

疑問に思いながら、ホームページのサービス概要や、セラピストふくださんのプロフィールやブログをじっくり読んだ。

すると、

・うつ病と診断され数回も転職経験あり
・心理セラピーに出会い、うつ病を克服
・うつ病克服後、ふくださん自身がセラピストになり、潜在意識を紐解く独自のセラピーをしている

といったことが分かった。

またブログ内で、「ぼくはあの時、うつ病だと診断されるべきではなかったと思っています」と記述してあった。

まさに私が今、感じている「自分はうつ病ではないのではないか?」という疑問。

ふくださんに聞けば、何か分かるのでは?とパッと思い浮かんだ。

そして、「何度も転職するほど、長年苦しんだうつ病を克服した人の、人生の経験談と理由」が聞きたいと感じた。
(このままでは辛いだけだ。行ってみよう!)

そう思った私は、藁にもすがる思いで、セラピーのお試しカウンセリングに申し込んだ。

「笑顔で生きたい!」心理セラピーを受けることを決断

カウンセリングに通っていた当時、家族で出かけたときの写真

お試しカウンセリング当日。

緊張しながら、カウンセラーのふくださんに、これまでの経緯を話した。

人と話すことが、少し苦手な私。行く前は不安があったけど、終始穏やかで、優しく話を聞いてくださった。

また、こちらが一方的に話すだけでなく、

「途中で病院に行った時、何を感じましたか?」
「自分では病気と診断されたことを、どう思いますか?」
「これからどうなりたいですか?」

と、「自分で今回の問題の本質を考える質問」を投げかけてくださった。

短い時間ながらも「自分の頭と心で感じて、考えること」気づかせてくださり、モヤモヤが少しクリアになった時間だった。

また、「必要以上に、人の目を気にしている自分」の存在を知ることができた。

「もっと、この問題の根本を向き合って考えたいです」と伝えると、ふくださんは3ヶ月の継続心理セラピーの提案をしてくださった。

潜在意識を読み解くセラピー。

他のセラピーとは違って本質と向き合えそうだと感じたので、「ぜひ受けてみたい」と即座に思った。

だけど、提示された3つの料金プランは決して安くはない金額。派遣の仕事の1ヶ月分のお給料くらいある。(どうしよう……)

結局、その日は一旦帰って考えることにした。

帰宅すると、幼い息子と優しい主人が出迎えてくれた。穏やかで、しあわせな家族との時間。

だけど。もし、私がまた急に泣き出したり、暗い顔をしたりしていると、家族も暗くなってしまう。

いつしか、少し成長した息子にも心配かけて、

「大人になるって、大変なのかな」
「ぼくがいるから、ママは辛そうなのかな」

と思わせてしまうかもしれない。子どもの頃の、私みたいに。

その瞬間、子どもの頃に母がうつ状態になり、電気も付けずに真っ暗な部屋で母がいつも寝込んでいた日々が頭をよぎった。

母はいつも辛そうで、泣いている時や、イライラして私に八つ当たりしていた時がよくあった。

母もだけど、私も辛かったあの日々。

その後、大人になり「母みたいにならない自分」になろうと、自己啓発や心理学関連の本を読み漁って勉強したり、色々な講座やセミナーにも参加したりして、注意しているつもりだった。

自分のメンタルの弱さを、無意識にも理解していたのだ。

けれども、結局何も解決せずに、今回「うつ病」と診断されてしまっている

「このままでいると、私も母みたいになってしまうのかもしれない…」
「家族の笑顔を守れるのは、これからの私の行動次第なのでは?」

など、たくさん自問自答して、迷って、数日経った。

そして、

「このまま家族に心配される日々は良くない。私が笑顔で過ごすことが、家族のためにもなる!」
「この問題から逃げると、将来何かがダメになりそう」
「やっぱり、楽しく生きていきたい!」

そう強く感じ、「心理セラピー受けます」とふくださんに連絡を入れた。

今振り返ると、この時が「他人のため」ではなく「自分の人生のために、本気で向き合った最初の行動」だったと思う。

体験談②につづく。

【継続セッションの体験談②】長年の自己否定の原因は幼少期の記憶 | こころセラピー福

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